世界のデジタルノマドが梅田を選ぶ理由
――FUTRFESTに見る、都市とコミュニティの力

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働き方が多様化する現代、場所に縛られず世界を舞台に活躍するデジタルノマド(※1)たちが、今、新たな拠点として「大阪梅田」に熱い視線を送っている。
その背景にあるのは、多様な人々が行き交い、仕事でも日常でも新たなつながりが生まれやすい大阪梅田の環境だ。国内外の人材が自然に交わり、交流をきっかけに新しい挑戦や協業へと発展していく。そうした「出会いと交流」が身近にあることが、デジタルノマドたちを惹きつけている。
2026年5月、コワーキングスペース「FUTRWORKS(※2)」のプロデュースにより、国際交流プログラム「FUTRFEST 2026 Spring」が開催され、世界中から20名のデジタルノマドたちが集結した。本記事では、参加した彼らのリアルな声を通じ「新たな価値を生み出そうとする人が、まちのコミュニティの一員として挑戦できる舞台」としての梅田の可能性を紐解いていく。

※1 デジタルノマド IT技術を活用し、場所に縛られず「ノマド(遊牧民)」のように旅をしながら仕事をする人のこと。
※2 FUTRWORKS(フューチャーワークス)
阪急阪神不動産が大阪梅田で展開するスタートアップ支援・共創コミュニティのハブ。前身である「GVH#5」の知見を引き継ぎ2024年に設立された。成長志向の国内外スタートアップやデジタルノマドなどが集い、梅田の都市アセットを活用した実証実験や日本文化体験イベント等を通じて、国籍を超えた連携や新産業の創出を目指している。

【関連記事】 FUTRWORKSが目指す「共創コミュニティのハブ」――梅田から新産業を創出する仕組みづくりとは

目次
1. 国際交流プログラム「FUTRFEST 2026 Spring」とは? 梅田に集うデジタルノマドたち
2. 世界のデジタルノマドが、ビジネス拠点に「梅田」を選ぶ理由
3. コワーキングスペース「FUTRWORKS」が叶える、コミュニティへの自然な参加
4. 梅田から生まれる「出会いと交流」が、グローバルなビジネス共創を後押しする
5. デジタルノマドたちが、梅田のビジネス環境・滞在インフラに抱く期待
6. 「働き、暮らし、交流する」――挑戦を支える国際交流拠点・梅田の可能性

国際交流プログラム「FUTRFEST 2026 Spring」とは?
梅田に集うデジタルノマドたち

2026年5月11日から22日にかけて開催された「FUTRFEST 2026 Spring」。期間中には、多岐にわたるプログラムが用意された。茶道や居酒屋体験といった日本文化に触れる時間。ヨガやフットサルなどのスポーツイベント。そして、参加者同士が知識を共有するスキルシェアや交流会などである。参加者たちは、単なる観光ではなく「働く」「暮らす」「つながる」という視点から、大阪梅田の文化やコミュニティを体験した。

「FUTRFEST 2026 Spring」プログラムの様子。
上段左から、小林一三記念館での茶道体験、十三エリアでのバーホッピング、
下段左から、「FUTRWORKS」内でそれぞれ行われたヨガレッスン、キックボクシング体験

国や職業、価値観の異なる人々が集まったFUTRFEST。参加者たちは、大阪梅田というまちをどのように感じたのだろうか。まずは、4名の参加者たちが大阪梅田を仕事や滞在の場として選んだ理由から話を聞いた。

【インタビュー参加者】

Eleonora Valentiさん(イタリア出身)
キャリアコーチ・起業家メンター。2025年から夫・子どもとの3人で大阪に居住。
Perry Fardellaさん (写真左/オーストラリア出身)
ソフトウェアエンジニア。過去、15カ国を訪れたフルリモートワーカー。
Karina Shalvardjianさん(写真右/カナダ出身)
オンライン医療コンサルタントで、Perryのパートナー。南極大陸を含む50カ国以上からのリモートワーク経験あり。
Fernanda de Oliveira Munizさん(ブラジル出身)
プロダクトマーケティング・イノベーション専門家。日本を訪れるのは5回目。

世界のデジタルノマドが、ビジネス拠点に大阪梅田を選ぶ理由

――皆さんの働き方と、日本の中でも大阪梅田を選んだ理由について教えてください。

Perry フルリモートのソフトウェアエンジニアとして働いています。この3~4年でアジアやヨーロッパ、北米などに滞在しながら、15カ国で仕事をしてきました。
デジタルノマドにとって最も苦戦する問題は、1カ月以上滞在できるアパートメントを探すことです。今回、日本のなかでも大阪で滞在を決断できた大きな理由は、梅田にある『FutrStays(※3)』の存在でした。外国人が数ヶ月単位で滞在できる住環境をスムーズに手配できるインフラが整っていたことは、大きな安心材料になりました。

※3 FutrStays 阪急阪神不動産の住宅部門が「FUTRWORKS」とコラボレーション提供している、デジタルノマド向けの月額制滞在プラン(実証事業につき期間限定)。

Karina オンラインで医療コンサルティングを行っています。過去に50カ国以上を訪れましたが、食事の質の高さや交通の利便性、安全性、空気の清潔さなど、日本は魅力溢れる特別な国。昨年のFUTRFESTで知り合った人たちとのつながりもあって再び大阪を訪れたいと思っていたところ、梅田の「FutrStays」を紹介してもらい、利用することができたんです。

Fernanda ハッカソン(※4)の運営やコンサルティング、デジタルコンテンツ制作などに携わっています。私も基本的にオンラインでのワークスタイルで、イベントでの出会いや異文化との接点を仕事に活かしながら活動しています。
滞在先を選ぶ際は、まちのエネルギーや雰囲気、インターネット環境に加え「安全性」も重視しています。日本は他者へのリスペクトがあり、自由で安全に過ごせる点に魅力を感じていました。今回は、InstagramでFUTRFESTのことを知り滞在を決めました。当初は他県を訪れる予定でしたが、急遽行き先を変更したことで、とても素敵な経験がたくさんできました。

※4 ハッカソン ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語で、多様な専門性を持つ人材が集まり、短期間で集中的にアイデアを出し合い、ソフトウェアやサービスを開発するイベントを指す。

Eleonora キャリアコーチとして個人のキャリア支援を行うほか、起業家向けのメンタリングをしています。仕事はオンラインが中心で、活動場所に縛られることなく働いています。
写真家の夫が京都で仕事を始めたことを機に、昨年から子どもを含めた家族3人で大阪に暮らしています。日本は外国人に対する福利厚生が整っており、子育て環境も良いです。大阪を選んだのは、人との距離が近く、その温かさに魅力を感じたから。私の出身地・イタリア南部にも少し雰囲気が似ていて、居心地の良さを感じています。

参加者たちが共通して評価する梅田の魅力は、コミュニティの温かさと、都市としての利便性の融合だ。
デジタルノマドにとって、梅田での滞在には以下のメリットがある。

●徒歩圏内にすべてが揃う利便性:駅から徒歩圏内に、オフィスやホテル、飲食・商業施設が集約。FutrStaysを利用すれば、居住拠点とワークスペース(FUTRWORKS)との連携もスムーズになり、職・住・遊がコンパクトに完結する環境が整っている。

●ローカル文化との近接性:一歩外に出れば、日常に根差した日本文化や食を堪能できる。

生活の質を高めながらビジネスに集中できる環境こそが、梅田が新たな挑戦の舞台として選ばれる理由だ。

コワーキングスペース「FUTRWORKS」が叶える、コミュニティへの自然な参加

――FUTRFESTでの体験、交流プログラムの中で印象に残っているものはありますか?

Eleonora 私がファシリテーターを務めた「マスターマインド(※5)」は、今でも鮮烈に覚えています。 セルフブランディングやAIの活用などについてアイデアや知識を持ち寄り、お互いの考え方に触れられる貴重な時間でした。また「レディースランチ」でも、文化や国籍を超えた女性共通の悩み、仕事や人生について率直に語り合うことができました。

※5 マスターマインド 複数の人が同じ目標に向けて知恵や経験を持ち寄り、新しい発想や成長を実現する考え方。

Elenoraさんがファシリテーターを務めた「マスターマインド」(写真左)、
女性参加者限定で行われた「レディースランチ」の様子(写真右)

Fernanda フットサルがとても楽しかったです。これまでほかのコワーキングで参加したイベントはビジネス重視でしたが、FUTRFESTでは参加者のライフスタイルや、人とのつながりが重視されているところがとても新鮮でした。

Perry 日本人スタッフや地元の方々が案内してくれたローカルな体験が印象に残っています。観光客向けのスポットではなく、地元のレストランや公園を訪れ、茶道や野球観戦を楽しむ時間は、日本の日常に触れる体験になりました。英語でサポートしてくれるスタッフがいるので言葉のハードルを感じず、交流の機会も増えました。

プロ野球・阪神タイガースの試合観戦(写真左)、梅田エリアを巡る梅田ツアーの様子(写真右)

――国籍や職業を超えた交流を経て、皆さんにどのような学びや気づきがありましたか?

Eleonora 世界各国から集まった参加者は、多様な経験や専門性を持っています。セッションやランチミーティングを通してそれらをシェアすることで、自分とは異なる視点に触れることができましたし、お互いのつながりをより深めることができました。

Fernanda 参加者を巻き込むFUTRFESTの仕組みは、参加者が自然に交われる設計になっていて印象的でした。当初はFUTRFEST期間中だけの滞在予定でしたが、今回の経験を経て、滞在期間を数週間伸ばしました。

――ほかの国や都市と比べたとき、梅田での体験に何か違いや特徴はありましたか?

Perry 一般的なリモートワーカー向けプログラムは旅行者同士の交流が中心ですが、FUTRFESTは地元の人たちが企画し、地域のコミュニティとつながる機会が用意されています。実際にこのまちに暮らす人に近い目線で、大阪を体験することができました。

Karina Perryの言葉通り、どの国においても旅行者としてではなく、地元の人と同じように過ごしたいと考えてきました。今回のプログラムを通して、大阪でディープな体験ができて心から満足しています。

Eleonora FUTRWORKSを介して、デジタルノマドと地元の人々、双方のコミュニティの輪の中へ自然に参加できることが魅力だと思います。また、交流はイベント当日だけで終わらず、その後もつながりが続いていくことに価値を感じています。

梅田から生まれる「出会いと交流」が、国境を越えた共創を後押しする

――今回のプログラム、実際に過ごした環境やコミュニティについて、どのように感じましたか?

Fernanda  FUTRFESTのプログラムは予定が詰め込まれていないので、自分の仕事や日常の予定とのバランスを取りながら、心地良く滞在することができました。

Eleonora スタッフが積極的に参加の機会を提供してくれることや、多彩な人たちと交流できた時間が心に残っています。集中できるクローズドな環境と、交流・共創できるオープンな環境が両立している場所だと思います。

Perry FUTRWORKSは景色が良く集中しやすい空間で、ビジネス環境としても非常に快適です。また、FUTRFESTにはとても歓迎されている雰囲気があります。スタッフが親身にサポートしてくれますし、言葉の壁を越えられる体制が整っていますね。

Karina 昨年の参加時にも感じましたが、コミュニティの一員になれる感覚があります。初めて日本を訪れたときに、スタッフが地域のことを教えてくれたり、食事に連れて行ってくれたりしたおかげで、不安なく過ごすことができました。だからこそ、今回もまた大阪を訪れたいと思ったのです。

Eleonora FUTRFESTには、一度参加した人が戻ってきたり、新しい人を紹介したりと、人と人をつなぐ仕組みがあります。イベントの実施に留まることなく、持続的につながりが育っていくことこそ、この取り組みの大きな価値だと思います。

デジタルノマドたちが、梅田のビジネス環境・滞在インフラに抱く期待

――今後の梅田に、デジタルノマドとして期待することはありますか?

Fernanda 私たちにとって、通信環境と住環境はとても重要です。無制限で利用できるSIMカードの提供や、2〜3カ月単位で気軽に借りられる住まいがもっと充実すると助かります。

Karina 長期滞在する上で健康維持は大切なこと。外国人が利用しやすいフィットネスジムやスポーツ施設などのウェルネス情報が充実すると嬉しいです。そうすれば、今まで以上に梅田が便利で暮らしやすいまちになると思います。

――改めて、大阪や梅田のまち、またFUTRWORKSやFUTRFESTに対しての率直な感想をお聞かせください。

Eleonora 大阪は、初めて訪れた人でも自然に受け入れてくれる温かさがあり、人と人との距離の近さが心地良いまちですね。すでに友人にも大阪をすすめています。

Fernanda  デジタルノマドならではのユニークな視点を持った人々が、FUTRFESTには集まっています。お互いのライフスタイルに共感したうえで、他者とつながれること。それこそが、この場所とイベントのおすすめポイントです。

「働き、暮らし、交流する」
――挑戦を支える国際交流拠点・梅田の可能性

今回の取材を通じて見えてきたのは、大阪梅田が、世界のデジタルノマドにとって「働き、暮らし、交流する」場になり得るということだ。
快適に働ける環境と、立場を超えて自然に人とつながることができる温かな人の輪。その2つがすぐそばにあることこそが、梅田が世界中のデジタルノマドを引き寄せる理由だといえるだろう。
新たな価値を生み出そうとするすべての人にとって、梅田はこれからも頼もしいパートナーであり続ける。

「FUTRFEST2026 Spring」の概要

項目 内容
開催期間 2026年5月11日~22日
参加者数 20名
主な参加者 ・ソフトウェアエンジニア
・スタートアップ創業者
・フリーランス
・デジタルマーケターなど
実施プログラム ①日本文化体験
●小林一三記念館見学と茶室"即庵"にて茶道体験
●日本酒テイスティング
●料理教室

②コミュニティ形成
●Welcome Party ウェルカムパーティー
●Closing Party クロージングパーティー
●Ladies Lunch レディースランチ

③知的交流・共創
●Master Mindマスターマインド 
●Skill Share スキルシェア

④ウェルビーイング

●Yoga ヨガ
●Kick Boxing キックボクシング
●Futsal フットサル

⑤都市体験

●Umeda Tour 梅田ツアー
●プロ野球(阪神タイガース)観戦 
●十三バーホッピング
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